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2007年5月19日 (土)

あれから20年、K氏逝く

きのう、20年来の知り合いであるK氏の訃報が届き、通夜に参列してきた。知り合いというよりは元上司、そして一緒に会社を興した人。俺より一回り少し上だから50代半ば、まだ若い。

“音楽やる!”と半ば家出みたく上京してきて、2年間、新聞奨学生というもので精神的ドン底を味わい、うるさい親をとりあえず黙らせるために腰掛け就職したソフトウェア会社の副社長がK氏だった。

俺の採用を最終決定したのもK氏だった(らしい)し、業界1年目、まだ20歳過ぎのヒヨッ子でしかなかった俺を引き抜いてくれて、社員ではなく経営者という立場で一緒に会社を興そうと誘ってくれた。おかげでソフトウェアやシステムだけでなく株式会社というものの総務やら法務のサワリも学ばせて貰った。

正直、音楽だけでは生活が成り立たないので演奏やら録音エンジニアやらの他に、某大手IT企業から個人的に委託を受けてASP事業などの基幹業務に携わっている。そういう仕事ができるようになる技術と人脈の礎をつくる場を与えてくれた人であり、何気に俺の人生を変えた人...

遺影を見ながら思い出すのは...上京直後の赤貧生活から一転、会社を興した時期がバブルに上手く乗り、プチ・ヤンエグ(古っ!)を堪能していた20代前半~半ば。フェアレディ Z31 を乗り回し、全身 NICOLEGAULTIER の服を纏って休日になれば青山や代官山に出掛けていた頃。今思うと、笑えちゃうような、楽しかったような、寂しいようなその頃の想い出というか、バブリーな生活って、K氏(社長)がいればこそだった部分も大きい。

もっとも、その挙げ句、不動産投資にまで手を出し、バブル崩壊のしっぺ返しがいまだに尾を引いているのだが (><) ※周りが俺のことを『日本経済の縮図』と言い始めるのはこの頃から...

20代半ば~後半、会社の人数(社員)が増えて徐々に方向性が変わっていくことへの疑問や、“システムエンジニアの仕事するために東京に来たんじゃない!”...という思いから、しばらくは表向き距離を置いていた音楽へ公然と戻り始めた俺との間にビミョーな空気が漂いはじめた。結局、俺は取締役という立場を降り、さらに数年後に会社を辞めたけど、K氏の良くも悪くも浪速商人的な堅実さゆえか、その会社は今でも神田に本社を構えて順調にやっている。

もう何年も年賀状だけの付き合いになっていたが、K氏との想い出というよりは、いろいろな意味で紆余曲折だった20代を陰でバックアップしてくれていた人...という思いで遺影を眺めていた。当時、一緒に会社を興した面々との再会もあって、なんだか20年という時間がもたらしたホロ苦さを感じる通夜だった。

入社試験の面接で初めて出会ってから20年、一度、昔話を肴にサシで飲みに行きたかったな。

俺が会社を去るとき、怪訝そうな顔で愚痴とも説教とも取れぬ話を終えた後、「...でも、中田君が羨ましいな。」とポロッとこぼしたのを思い出す。そして今、自分もあのときのK氏の年齢に近づきつつある...

心よりご冥福をお祈りします... (合掌)

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コメント

最近、僕の周りでも似たようなことがよくあります。
50代半ばで亡くなったりするのは、会社の重役。
60代で亡くなった整体で世話になった酒飲み2人。
40代自分と同年齢で自殺した知人と事故で命を落とした同級生。

20年という時間は人生の1/3から1/4ですから、
そのあいだ関わりというのは、自分への影響力としても大きなものがありますね。べったりでないにせよ、たえず想い描ける存在として。

人間、生きているときが花なんだ、とつくづく思います。
でもこの世を去ってなお人の心の中に生きている人もいる。
そして影響を与えたりもする。
花であるときの生き方は、死してさらに輝くことがある。
まったく面白いもんです、生きているということは。

■KOWさん >

葬儀でいつも思うこと。棺の窓(?)から故人の顔を見る瞬間、悲しいとか寂しいとかではなく、「あ、人間ってモノなんだ」ってこと。

子供の出産に立ち会ったときの印象...嬉しいとか感動したとかではなく、「あ、人間って動物なんだ」。

俺は普通の人が感情の極み(?)に至る場面を前にしたとき、かえって冷静に見てしまうクセがあるらしい。

考えたら音楽もそうで、ノリノリなライブに遭遇したりすると、音楽はノイズと化し、悦に入っているミュージシャンや踊り狂ってる人の観察モードになってしまい、あたかも動物園見学状態。

昔から、癒し系と呼ばれる NewAge や Ambient を聴くとドキドキするし、Deep Purple や Rainbow は良き子守歌となる。

俺が雅楽を選んだ理由はこういうところにありそうだ。

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