八ヶ岳 プリプロツアー
3日間、八ヶ岳周辺で籠もってました。...って、季節柄、シャトレーゼとかRC野辺山ではないよ!(> スノボ関係者)
知り合いの邦楽演奏家のCD制作に向けてのプリプロのお手伝い。八ヶ岳周辺の個人所有の小さなホールを幾つか選んで、レコ-ディングしながらエンジニア(コプロ?)の視点からの意見をあれこれ...。と同時に、個人的には Note PC を核にしたモバイル・レコーディングを試す意図も。
最初は清里の近くにあるホール。木造のシューボックス型のホールなんだけど、内装がニスのようなもの(防腐とか断熱とか断湿とかの為なんだろうか?)で覆われているのと、天井の内装材のせいか、邦楽器には響き過ぎる。
洋楽器を少人数で弾くには気持ち良いだろうけど、箏や三味線のような直接音が命の楽器の録音には音が痛くってちょっと厳しい感じでした。
中日、移動の途中で20年近くぶりに清泉寮に寄りました。 俺が20代前半の頃、空前の清里ブームがあって、その頃に訪れて以来。当時は清里と言えば清泉寮のソフトクリーム! “美味しかった”という記憶しかないのだけど、そのソフトクリームを食べてきました。やっぱり美味しかった...
その後、すぐ横にある「やまねミュージアム」に行ったのだが、残念ながら 16:00 の閉館時間を5分ほど過ぎて行ったので入れなかった (;;)
そして山を少し下って大泉にある次のホールへ。ここも木造で外観は八角形、天井部が渦巻き貝のような形をした変わったホール。到着してホールに入った瞬間、上部に連なるの窓ガラスを隠すための大きな障子が目に入った。“ここは良いかも?”という直感。
個人的には、日本家屋の室内という環境で育った邦楽器には、畳の床と障子(または襖)という環境が、音響特性上、一番合ってると思っている。紙の程良い反射と吸収が邦楽器にはピッタリなのだ! ホールといえば、どこも洋楽器の響きを基準に設計されているので邦楽器には合わない。レコスタで畳の床は有り得ないが、せめて壁が障子というところはないんだろうか?といつも思っている。“響き”を売りにしているホールやレコスタはいっぱいあるけど、その大半は残念ながら邦楽器には不向に思える。
で、このホール。初期反射が少し気にはなるけど、案の定、かなりポイントの高い響き。ただ、渦巻き天井なのと内部が非対称の設計なので、楽器の位置を数十cmずらしただけで響きがコロっと変わるのが難点と言えば難点。時間がた~っぷりあれば、曲によって演奏位置を考えるのも面白いとは思うが...
どのホールも音楽好きのオーナーがやっているので親切だし、都会のホールにありがちな時間課金に追われることもなく、気分的にリラックスしてできるのが何より Good! しかしまぁ、結論から言うと、あれこれ試しながらのプリプロや本番前の練習に籠もるにはすごく良いけど、外部音の遮断に弱いので、本チャン録音となると厳しいかな?って感じはある。
でも自然の中で時間を気にせず集中して何かするには、コストパフォーマンス的には街中のスタジオに籠もるより遙かに良い環境(ただし、どこも電気楽器系はNG)。財力があればバンドのメンバーとか連れてきて、籠もって音作りとかできたら良いだろうなぁ~!
豪勢なホールも良いけど、こういった個人所有の小さなホールを訪ねるのも、オーナーの人柄が音に出てたりして面白いなぁ~...と感じた“八ヶ岳ツアー”でした。
■興味ある人向け
今回は短い日数の中で移動が伴うので、俺が持ってる機材の中で最小限の装備で挑む!というコンセプトがありました。装備は以下...
・Note PC: Toshiba SS2010 P3-866Mhz 512MB 20GB
・Audio I/F: RME DIGIFACE(PCMCIA-T2 CardBus)
・Mixer: YAMAHA O1V96 V2(ADAT Opt. in/out)
・DAW: MAGIX Samplitude 8.0 & Steinberg Cubase SX2
・Mic: AKG C451B(Stereo Pair) & C391B×2
・Rec Property: 44.1KHz/32bit float
実感としては、小編成のプリプロならこれで十分! 本チャンでもマイクプリさえちゃんとすれば大丈夫かも? 但し、Note PC だとリモート制御できないので、ホール内に本体を置かなければならず、若干のファンノイズ&ディスクノイズは避けられない。
唯一失敗だったのは電源コンディショナー。簡易式のものしか持って行かず、ちゃんとした機材(自分が持っているのは Shinano GPC-1500)を持って行かなかったこと。2つめのホールでメインDAWである Samplitude と DIGIFACEのデジタル同期(ASIO経由)が上手く取れず、Cubase に切り替えて回避(RME/ASIOはSteinbergの系列なのでドライバの相性はバッチリ)。おそらく電源系の問題ではないかと??
経験者はわかると思うけど、サンプリング周波数のデジタル同期って意外とトラブルが多いんだよね...
« ついに渋公 | トップページ | かつてのギター師匠と… »
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
全然、分からない...。
でも、技術的にはおもしろそう!!
投稿: リョウ | 2007年6月12日 (火) 09時33分
■リョウさん >
★スノボ語に擬似翻訳★
今回は短い日数の中で移動が伴うので、俺が持ってる道具の中で最小限の装備で挑む!というコンセプトがありました。装備は以下...
・Board: SIMS Burner 178 00-01
・Binding: ACT-GEAR Hyper Intec
・Boots: HEAD STRATOS Pro
・Wax: R≒0 & KASHIWAX
・Start Wax:HOLMENKOL TopSpeed Powder
実感としては、G2の予選ならこれで十分! 本チャンでもトップWAX選びさえちゃんとすれば大丈夫かも? 但し、Start Wax は落ちが早いので、ロングコースへの対応が難しく、若干の後半での違和感はGSでは避けられない。
唯一失敗だったのはワクシング。簡易式のものしか持って行かず、ちゃんとしたアイロンを持って行かなかったこと。2つめのコースでメイン板である Burner に R≒0 が上手く乗らず、KASHIWAX に切り替えて回避。おそらくベースメイクの問題ではないかと??
経験者はわかると思うけど、ホットワクシングとブラッシングの出来って意外とトラブルが多いんだよね...
投稿: ZOW | 2007年6月12日 (火) 12時49分
最近のシステムの進歩はすごいですね~。
こんなにシンプルな感じでいけちゃうんですよね。
自宅で録音できる環境を作りたいんですよ実は!
いろいろ教えていただきたいですな~。
それとホント今年一緒にやりましょうよ!!
よろしくです。
投稿: ken | 2007年6月12日 (火) 20時57分
翻訳ありがとうございます。
何と無く、分かったような分からないような...。(爆)
私の場合、ワックスが適当なので、ちょうどいいかも知れません。
投稿: リョウ | 2007年6月13日 (水) 09時27分
■kenさん >
ほんと、一昔前なら数千万円分の機材がPCの中ですもんね。まぁ、基本的にセレブなアナログ機材には音質的には勝てないと感じてはいるので、自分の曲やアーティストの要望があった場合には、PC上でトリートメントとかエフェクト全てを処理して、最後の“混ぜる”部分だけはアナログ領域(MackieとかでOK)でやっています。デジタルって、この“混ぜる”という部分だけはダメな気がする。アナログ機材だとリコールできないので、時間制限がある人のミックスではあんまりやらないですけどね。
トラックが少ないとこの環境でハイサンプリング(96KHzとか)もできちゃいます。が、音はめっちゃ綺麗ですけど、空気感まで丸ごと録っちゃうんでシビア過ぎて一般環境では難しい...
是非、何かやりましょうね! あと、一五一会を触ってみたい。
■リョウさん >
変な翻訳ですが、まぁ、その世界じゃない人には???な話だ...っちゅうことで?!
投稿: ZOW | 2007年6月13日 (水) 09時46分