ZOW (中田太三)

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2007年7月の7件の記事

2007年7月31日 (火)

ヒグラシのドローン

わけのわからんタイトルだな?!

高尾山中に籠もってたんだけど、ちょっと面白いことを発見。ってか、気付いた。昨日、珍しく9時に寝たものだから夜中の2時頃に目が覚めてしまった(オジンか??)。 寝付けないので仕方なく1時間ごとくらいに何度となく真夜中の散歩。

■午前3時半

 川の音だけが森の中で乱反射して聞こえてくるので、意識すると四方八方をものすごいホワイトノイズで覆われたような感覚になる。まさに“アンビエント”音楽な世界。ここにミニマル的なメロとかビートがあったら“トランス”音楽になるな ... と、アンビエントとトランスの共通点を見出す。

■午前4時半

 夜が明けてきて、うっすらと明るい。ヒグラシと色々な鳥の声が聞こえてくる。ここで不思議なことに気付く。さっきまで全体を覆っていた川の音が、ヒグラシと鳥が入ったことで、音の存在が全体ではなくベースに変わってしまっている。音が下にあるのだ。そして中間部をヒグラシのハーモニーともドローンとも言える音が埋めて、上物として鳥の声が乗っている。なんともリッチなオーケストレーションが成立しているのだ!

■午前5時半

 けっこう明るい。ヒグラシの声は止んで、川の音と鳥の声だけ。するとこれまた不思議な音空間になっている。何というか、虚ろなのだ。悪い意味ではない。音空間が重層的ではなく、輪っかのように輪郭がハッキリしている。“あれ?この感じ、どっかで覚えがあるぞ ... あっ!”、そう、この感じって邦楽なのだ! ヒグラシが入った重層的な音空間は洋楽的なのに対して、中間部を埋める音がなくなった輪郭の明瞭な邦楽になっている。

★まとめ

 どれも面白いのだが、ふと、自分が好きになる楽器について考えたとき、俺ってヒグラシ派なんだ!と気付く。雅楽における笙はまさにそうだし、昨今はまっているハーディ・ガーディもヨーロッパの伝統スタイルの中ではバグパイプが上物になるので、おのずと中間層を埋める役割をしている。共通点は、前面に出る音ではなく、雰囲気とか空間を支配してる系統の音ということだろうか?

 ちなみに総論として、雅楽そのものは明らかに午前3時半の状態。オーケストレーションとか輪郭よりも塊的に音空間を作ってしまう。“ここにビートがあったらトランス”と言ったが、確かに雅楽に絃楽器が入ると本質は同じなのに世界が変わるのはそういうことか??

 あと、上物の存在感も面白くて、ヒグラシがあると鳥の声(上物)の遠近感がすごくハッキリすること。比して、ヒグラシがないと1つ1つの鳥の声はハッキリしてるのに遠近感がなくなること。

 別に武満徹にインスパイアされているわけではないが、雛形って自然の中にあるんだなぁ。

 ここで前々から気になっていたこと...ヒグラシって定常的に鳴っている単旋律だからハーモニーと言うよりはドローンのような存在。じゃあ、ドローンってなによ? 求ム、楽理的解釈!

2007年7月28日 (土)

民族楽器新聞?

アメリカ最大(=おそらく世界最大)の民族楽器ショップ Lark in the Morning に、日本で手に入らない(あってもなぜか“レア”という名目で激高!の)書籍を注文していたのだが、それが届いた。

070728_011001 その本はともかく、中に新聞のような商品カタログが入っていたのだが、これが面白い。

全32ページの新聞のような体裁なのだが、ホント、すごい。ずーっと眺めているのだが、飽きない! 雑誌とかネットの写真でしか見たことないようなレアな民族楽器がうじゃうじゃ載っている。いや、売っている。もちろん箏や尺八も!(和楽器に関しては、どー見ても怪しい製品っぽいが...)

この店、ネットだけじゃなくリアル店舗があるんだったら是非一度行ってみたい。そこらの博物館より遙かにすごいぞ。

2007年7月23日 (月)

哀愁のノコギリ

先々週の Hurdy Gurdy 熱再燃以来、妙な楽器(発明楽器ではなく、古楽器とかね)のマイブームが止まらない...

myspace を中心に、夜な夜なネットを渡り歩いては妙な連中(音楽家ね!)と知り合っては連絡を取ってみたりしながら完璧にはまっている。正直、ここ数週間の睡眠時間は3時間を切ってるんじゃないか...?

Thumb_lute_bild_24_comp_1 こと Hurdy Gurdy に関しては30アーティストほど見つけて、聴いたサンプル音源の数は70曲以上。イギリスやフランス、ドイツはもちろん、ポーランドやロシア、グリーンランドのプレーヤーとも知り合って、色々と現地情報を教えて貰ったりしている。が、やっぱやりとりは英語なので辞書と翻訳ページを開いたままのコンタクト。古文に続いて今度は英語の勉強かょ! お陰で、日本じゃ入手できないような情報やアドバイスもたくさん貰った。(この Hurdy Gurdy 関連の話は長くなるので後日書きます)

で、今夜はまってしまったのはノコギリ音楽。英語だと Musical Saw。関西系の人は横山ホットブラザースのアキラが最後にやる「♪お~ま~え~は~ア~ホ~か~」でお馴染みかな?

※Musical Saw で使うノコギリは大工用とは違って(元々はそうなんだけど)、片歯の反対側を弓でボーウィングしたり、マレットで面を叩いて音を作ります。大抵は前者ですが、アキラさんは後者です?!

Saw006_1 しかしこの音楽もなかなか侮れない。日本では大道芸的に扱われてしまうが、海外ではれっきとしたジャンル。Natalia Paruz なんていう有名な演奏家もいる。

 ...と思いきや、日本にも居た! 大道芸方面ではノコギリの巨匠(?)都家歌六師匠が有名だが、サキタハジメという若手のノコギリ音楽家。クラシックの曲なんかもやっていて、是非一度聴いてみたいもんだ。

膝の上にノコギリを乗せて、フニョフニョさせながら弾く独特の演奏スタイルだが、その音はなかなかに哀愁を帯びていて美しい。見た目がどうしても滑稽なのだが、笑いながら感動できる珍しい楽器ではないだろうか?

※海外のミュージシャンとコンタクトするのに、自分の素性をいちいち説明するのが面倒なので myspace に自分の紹介ページ(英語だよ!)を開設しました。今では入手不可(?)なレアな曲の音源も聴けますので是非どうぞ ==> http://uk.myspace.com/zoowy

2007年7月20日 (金)

気が楽になるライブ?

気楽なライブではない! 気持ちが楽になるライブ。

昨日、盟友(迷友?)さかもちくんの参加しているユニットのライブを見に行った。

3組出演したのだが、正直、それぞれを単独で聴きに行くとなるとちょっとした覚悟が要りそうなバンドばかりなのだが、昨日の場合、この3組が対バンすると言うのがなんとも妙味だった。

変な例えだが、“山海塾”と“吉本新喜劇”と“能”を一遍に見た感じ? もちろんどのバンドもテクニシャン揃いだし、明確なコンセプトの元に構築される音楽なのだが、表現方法があまりに違いすぎて目が回りそうだった?!

最初は大谷能生氏率いる Politico 3s。PCからのシーケンスを軸に、エフェクトアプローチの Sax と Bass、そしてドラムの編成。俺の個人的な嗜好のせいで、音楽そのものよりも使っている機材とそれを通して出てくる音の方が気になってしまって、耳より目で聴いた感じだったな。

ヒット!だったのは2番目に出演した conti、ドラムとシタールという編成のハード・ヒップホップ(ってのかな? よ~わからん!)。音楽もそうだが、MCを含めた流れのスピード感がすごい。エンタの神様に出てくる半端なお笑い芸人を遥かに凌ぐ喋くりのテンポ感。そしてほとんどプリカウントなしに次の曲に突入する息の合い方。曲それぞれではなく、総論としてメチャ面白い。

個人的にはこのバンドの何に惹かれたかというと、インド古典音楽の代名詞とも言えるシタールを使いながら、インド音楽とほとんど(いや、まったく?)関係ないアプローチをしているところ。それにピックアップからエフェクト処理して出す音なので JERRY JONES っぽい。賛否両論あるのだろうが、古典楽器と古典音楽の関係(分離バランス)という命題が常に付きまとう我々にとって、こうもあっけらかんと切り離した音楽を目の当たりにするのは快感ですらある。昨今の憲法解釈のように、本来の「伝統」というものの拡大解釈や摩替解釈の上に構築される現代音楽なんかよりよほど音楽的だし、何よりやっていることが「今」なのだ。

そして3組目、さかもちくんの参加する植村昌弘氏率いるMUMU。以前、譜面を見せてもらったことがあって、あまりのリズム(拍子)の複雑さに「俺なら4小節で挫折必至!」と思っていた音楽。ちょっと覚悟して聴いていたのだが、思っていたより端正でインテリジェンスな音楽だった。もっと複雑怪奇なものを想像していたのだが、計算された現代建築のような美しさがあったなぁ。何より、T's では見せない真面目なセッションミュージシャン姿のさかもちくんが印象的でした (^^;

会場だった 吉祥寺・Mandala2 の中野さん(店長)と久しぶりに色々なお話もできたし、帰りながら、なんだか気が楽になっている自分に気付いた。

自分のユニットを動かす時とか作曲モードの時って、「あるべき論」や「すべき論」で自分を追い込んでしまうことが多々ある。近頃の俺はまさにその状況なのだが、こうやって出掛けて人の音楽を聴いたり(ましてや昨日は異色3組だし)、ミュージシャンではない音楽関係者と話をするというのは色々な意味で癒されるんだな ... と感じた日でした。

2007年7月17日 (火)

ダイジェストで!

色々と話題があり過ぎて、書くことがない今日この頃?!
...ここ数週間、こんな感じ(画像ダイジェスト)...

(1) 2曲目、やっとできた (T's color)
(2) 1年ぶり、ふつーの音楽企画の準備
(3) 刻印しちゃったミーハーな俺
(PRODUCT RED)
(4) ホント、この楽器おもしろい
(5) “花の散るらむ”(1909年出版) 

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2007年7月 5日 (木)

Hurdy Gurdy

ハーディ・ガーディという楽器をご存じだろうか? ハンプティ・ダンプティじゃないよ?!

俺がいつか手にしたい(ちゃんと弾きたい)と思っている楽器が2つある。アラブやペルシャの民族楽器で、ギターやリュートや琵琶の共通の先祖であり、今でも現役で活躍するウード。日本でもまともな楽器が入手できるし、プロの日本人演奏家もいる。

※いつか、ウード・リュート・雅楽琵琶という歴史と大陸をまたぐトリオで演奏するのが夢だったりするのだ!

もう1つが中世ヨーロッパで使われていたハーディ・ガーディ ※ヴィエル(Vielle:仏)と呼ばれることも多い。こちらは途絶えかけていたが、近年、フランスや北欧を中心に復活している。が、ちゃんとした楽器の入手はとても困難だし、入手したところでメンテが大変。それに、まともな演奏家も生では見たことない。おそらく日本人にプロはいないだろう...

41ckgc77ksl_aa240_ 先週、ネットを見ていて面白いCDを見つけたので早速ゲット! 北欧(スウェーデン? ノルエウェー?)のその名も HURDY-GURDY というユニット(まんまやん!)の PROTOTYP と言うアルバム。

ハーディ・ガーディに色んな電子回路を埋め込み、シンセ・ハーディ・ガーディと言えるような楽器で音楽を作っている。

家に帰ったら届いていたので早速聴いてみた。もっと奇をてらった音楽かと思いきや、なかなか正統っぽいというか、バッキングはイマドキだけど、ハーディ・ガーディそのものの音色をけっこう活かした面白い作品。もし生で聴く機会があれば是非行ってみたいな。

雅楽器をはじめ日本の楽器もそうだけど、古くからある民族楽器というのは不器用だしアクが強いので、最初は面白いけどスグに飽きる! 伝統音楽の良さなんてものはある程度勉強して接してこそ味が見え(聴こえ?)てくるものなので、パッと聴かせて面白さをわかれ!という方に無理があると常々思っている。

そういう意味では、こういったバッキングで変化をつけることによって今風に仕立て上げて、その楽器の音に馴染ませるというのはアリだなとは思う。雅楽ではうちの師匠がそれをやって見事!有名になった... (^^;

しかし、どこまでイマドキに迎合するのか?みたいなところでいつも困惑してしまうんだよね~。おそらく、家元でも何でもない伝統芸能系の人って、みんなそこで迷ってるんじゃないかな~? やってる楽器や音楽こそ古いけど、子供の頃から聴いてきたのは「今の音楽」なのだから...

2007年7月 1日 (日)

07-08 Start!

早いもので、もう1年の半分が終わった。

去年の今日も書いた気がするが、ウィンタースポーツにとって今日7月1日は来シーズンが今シーズンに切り替わる日。07-08 シーズンへの幕開けとなる日なのだ。

Imgp1525_4 オフトレに励んでいる人も、既に脱落している人も、早くも雪の心配が頭をよぎり始める。

個人的には、昨シーズン以上に前途多難な諸々の状況に囲まれてはいるのだが、やっぱ大会とか出たいよなぁ~!

...ということで、状況好転にオフトレ以上の計画的努力が必要となる今日この頃である。

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