またな、親父...
先週火曜、10/23 午前5:25、親父が68年の生涯を終えた。69歳まであと1週間。
末期の食道ガン、放っておけば余命1ヶ月の宣告を受けてから約1年3ヶ月。良く聞く「痛い・苦しい」の闘病生活とは違ったが、ほとんどまともに食事の摂れない状態で、こと後半は絶食状態での違った意味での苦しい闘病生活だった。
この1年の間に本人も家族(周囲)も徐々に覚悟ができていたせいか、最後は家族全員に見守られた穏やかな最期だった。“そんなんありか?”と思うような、良く彫刻で見る仏様のような死に顔だった。
息子の俺とは違い、真面目で一徹、嘘のない潔癖な性格。いわゆる職人系と言えば分かり易いか? 現世での幾分貧しい生活とは違い、あの世では間違いなく良いポジションで迎えられることだろう。
そんな親父が去年書いたらしい書き置きを妹に託していた。葬儀を終えた夜、妹から手渡された。遺産などと言うものとはほど遠い生活だったので、遺言のような高尚な代物ではない。母親・俺・妹への謝辞と今思っていること、そして俺が知る限り最初で最後のお願い。そしてその全てを俺に任せるの一言。最後に“さようなら”。
こんなドラマのような演出ありか?! ...葬儀の挨拶ですら、少し言葉に詰まる程度だった俺が、さすがにこの手紙には涙が出た。親父の字なんて40数年間見たことがなかった。いや、書いたことなんてなかっただろう。下手な字で、間違った字で、一生懸命綴られていた。それが尚更、感情を煽る。
[先月、うちの子供(孫)と最後の外出→]
葬儀が終わってここ数日、大阪に残って、親父が書き置きにまで記した唯一つのお願いの下準備をしていた。パイロット・法曹・獣医・大学進学・etc...、今まで親父が俺に望んだことは全て却下してきた。亡くなってから叶えてやって喜ぶのかどうかはわからんけど、この最後の願いだけは聞き入れようと思う。取り立てて大した事ではないと言えばないことなんだが...
おとーはん、最後だけは叶えてやる!
何十年か先、俺がそっちへ行ったとき、またな。
ありがとう。
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