Medusa:メデューサ(メドゥーサ)、ご存じの通りギリシャ神話に出てくる化け物。髪が毒蛇で、視線が合うと相手を石に変えてしまう怪物である。
昔からこのメデューサの存在にいたく惹かれている。自分が蛇年生まれだから...というわけではない。ギリシャ神話も読んだことはあるが、何故かメデューサが絡んでいる部分しか記憶にない (^^;
怪物としか知られていないが 、メデューサは元々は可愛い少女であり、オリュンポス十二神である海神ポセンドンと劇的な恋に落ちてアテナの神殿のひとつで交わってしまうところから、怒った女神アテナによって怪物にされてしまう(恋ではなくレイプだったとか、自分の髪はアテナよりも美しいと自慢して女神アテナの怒りをかったとか、ここら辺の経緯は諸説あります)。しかもゴルゴン3姉妹の中で唯一不死身ではなかったために、ペルセウスに首を討ち取られてしまう。この時、滴り落ちる血の中からペガサスが生まれ、海に落ちた血が赤い珊瑚になり、砂漠に落ちた血から蠍など猛毒の生き物ができたんだそうな。
要はアテナの嫉妬が原因じゃんかよぉ~! 可哀想に...と思ってしまうのは俺だけか? 昔から微妙に不遇な脇役に惹かれるところがあって、源氏物語にしても1番惹かれる登場人物は「柏木」だったりする。
歴史的に見れば、ギリシャ神話にみるメデューサの美しい女性から怪物への変貌は、古来からある聖なる全知母神(Medusa の場合は Snake Goddess)、要するに女性崇拝から男性優位の父権制への変化とその大儀付けだとも言われている。調べるてみるとメデューサがなぜ怪物にされ、退治され、その魔力だけは都合良い方法(イージスの盾)で温存されるのか?の意味は深いのだ。
話を戻して...いつからか、このメデューサを自分の守護神、というかお守り役のように思っている。俺がここ数年、ライヴの時に必ず身につけているチョーカー(ネックレス)をご存じの方もいると思うが、あれも Bico というサーフアクセの Medussa というモデル。かなり抽象的なデザインだけどね。まぁ、良くスポーツ選手が試合の時に水晶のペンダントを身につけてるのと同じようなものかな?
偶像に向かって祈ったり願い事をする柄ではないが、もうちょいシンボリックなものが欲しいな?と前々から思っていた。これがマリア像や観音像ならいざ知らず、メデューサである。
姿は『蛇の髪の毛と、覗き込むと石になるという瞳を持ち、肌は青銅のウロコでびっしり覆われ、背中には大きな黄金の翼が生え、口からはイノシシのような鋭い牙』である。当然、探してもエログロ系のクリーチャーものが多く、かと思えば数千ドルもするような美術品。もう少し安くて、且つ、可愛い女性っぽさを残した、俺に都合の良いデザインのものはないのか?と気が向いたら探してはいたのだが...
少し前、ギターパーツを探すのに海外のオークションサイトを見ていて、偶然それっぽいのを見つけた。なかなか良いじゃん? なによりメチャ安いし! ...ってことで入札していたのだが、競合相手もなく落札! 数週間もすればイギリスから届くだろう。
Medusa よ、何も叶えてくれなくて良いから、たるんだ生活に活(喝?)を入れておくれ?!
■ギリシャ神話とは違う、土着信仰の Snake Goddess を起源とするメデューサそのものの詳しい解説はここへ。Alicia Le Van のメデューサに関する論文の翻訳ページです。
しかし、日本神話にしてもギリシャ神話にしても、様々な地方の土着系の神様が集まって成立した神話って、登場する神様がなかなか人間くさいよね!
※冒頭の絵画は、幾つかあるメデューサ絵の中でも1番好きな Franz von Stuck (独:1863-1928)の作品です。
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