助演
数日前、箏(琴)の大御所(?)の先生の助演をさせて頂いた。助演というのは、普通に言うとサポート或いはゲストミュージシャンと言ったところかな?
雅楽の世界と箏(というか一般邦楽)の世界って、実は接点があまりない。まぁ、俺の場合は昔から一般邦楽の知り合いの方が多いので、年に何度か一緒に演奏する機会がある。
今回のリサイタルは雅楽器を使う曲があったので呼んで頂いたのだが、個人的には仕事としてではなく、意味のある演奏会だった。
正直、この手の演奏会は聴いてて飽きてしまうことが多いのだが、今回は違った。演奏とか曲というより、その先生の舞台にのぞむ姿勢ってのかな?
ものすごい気合いを入れてオーラだしまくり、或いは偉そうにしてるだけの演奏家は幾らでもいる。が、その先生は違った。テンションは上がっているのだろうが、基本、普段と変わらない。気負いもせず、かといってダレもせず、舞台袖では衣装が豪華なこと以外はいたって普通。話していても普段と変わらない。良い意味で、普段の延長線上にこの舞台があるだけな感じ。ここが何ともニクイ!
そして何より、音や間合いを間違える気配の全くない安定感。古典曲がメインなのだが、曲を弾きこなしているというより、自分の曲を弾いてるかのような落ち着き。自分の出番が終わって客席で見ていたのだが、曲そのものより、その人の演奏している姿から目が離れない。
初めて、この人の演奏会なら今度は客として行ってみたい...と思った。
今日、電話があって、雅楽の装束まで揃えて出演したことを随分と喜んで下さったが、お礼を言いたいホント、こちらの方です...。すごく良いものを見せて頂きました。
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