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2009年5月の8件の記事

2009年5月24日 (日)

チューナーは足もとだろ?

“やっぱチューナーは足もとだろ?”...ギター弾きだった諸氏にはわかるよね?

今はギターではなく琵琶を弾いているが、その感覚は変わらない。さすがに古典の時にチューナをステージに置くことはないけど、ライヴなどでは必須。雅楽の古典では1回のセットでチューニングを変えることはないけれど、自分のライヴなどではオープンチューンなギタリストさながらに曲毎に変えるので必要になる。

俺のライヴに来たことのある方はわかると思うけど、いつもハンディチューナーを譜面代に置いている。何故か? 俺のライヴは雅楽律(A=430Hz)で演るのだが、A=430Hz に対応できるペダルチューナーが世になかったからなのだ!(ほとんどは A=435~445Hz程度)

Crw_2256 いや、あることにはある。Peterson と言うストロボ式チューナー(普通のものよりピッチ判定早くて、精度が圧倒的に高い方式)で有名なメーカーが出してるものがある。買おうかな?と思って実機を見たこともあるのだが、何より高い! ペダルチューナーに5万近い浪費(いや経費)は厳しい。しかも液晶表示なので視認性がいまいち。

もう随分と前から普段のライヴで使っているチューナー(Korg OT-12)が先月のベトナム以降、調子が悪いのでそろそろ買い換え時かな?と思い、少し前から色々と物色していた。

St2249h_2 どれも帯に短し襷に長しだなぁ...と思っていたのだが、昨夜、チューナーとはまったく関係のない海外の音響機材のコミュのリンクから偶然見つけた ...Sonic Research というところが出している Turbo Tuner ST-200。まだ新しいのか、日本には入ってきてないようだし、海外のショップで扱っている所もない。なのでメーカーに直オーダー。

いやこれ、かなりスグレものだと思う。デモビデオとか英文マニュアルを見たけど、小さいし、視認性抜群だし、ピッチ判定の早さは Korg や Boss とは比較にならない。何よりキャリブレーションが A=300.0~599.9Hz(そんなにいらんってば!)。しかも平均律以外もセッティングできる。(因みにハンディタイプのは A=220.0~880.0Hz。いったい何に使うねん??

ペダルチューナーの相場からしてもそれほど高価な製品ではないのに、この機能の充実ぶりはどうだ! アメリカもんなので作りの粗さはあるだろうけど、こりゃ買いだな。

まぁ、実機がまだ手元にないので評価は“勘”の領域を出ないが、こういう機材系はスペック・マニュアル・製品写真があれば滅多にはずさない自負はある。

兎にも角にも、これで琵琶の時も足もとにチューナーが置けるな

2009年5月22日 (金)

調律

やっとこさ笙の調律が終わった。

最近はあまり出番がなかった440Hzの笙。(ちなみに、雅楽の古典では430Hzに調律した楽器を使います)。久々に出したらピッチがめろめろなので調律開始。

笙の調律の記事は以前にも書いたけど、細かい作業で片手間にパッパとできるようなものではありません。普段の調律はリードに乗っているオモリを増減させて調整するんだけど、このオモリというのは蜜蝋と鉛の粉を混ぜた物。これがなかなかに細かい作業なのよねー。

どれくらい細かいかというと...じゃん!

Ca390068_2

比較のために1円玉を置いてみたけど、矢印の先の黒いのがそのオモリ。これを熱した細いコテでチビチビと触るわけですな。うかうかして蜜蝋を横(水色部分の切れ込み)に流したりすると......リードが御臨終なのです。

これが笙1つで17本あります(古典用は15本)。悟りの境地のなんちゃって入り口くらいには立てますよ

で、最近、笙の調律をしていると、信じたくない、耐え難い、でも誰しも避けることの出来ない悲しい事実にぶち当たります。

 
それは...、徐々に徐々に...、
 
老眼じゃ~

2009年5月18日 (月)

ついに休刊

アルペンスノボな諸氏は既にご存知かと思うが...

日本で唯一、いや、世界で唯一かも知れないスノボのアルペンスタイルの専門誌 CARVE』がついに休刊になってしまった

Carve_3ちんたらとスノボをやっていた何年も前、何気にこの雑誌をめくっていて目に飛び込んだレース用の板、SIMS Burner を見て一気に火がついた。

自分のレベルも顧みず、“スプリットテールの憎いやつ”を手に入れてからは狂ったように雪山に行って、超ヘッポコながらスピードレースにも手(足?)を出していた。

そんなきっかけを作ってくれた「CARVE」が休刊というのは何とも寂しい限り。スノボもアルペンスタイルの人口は激減しているので仕方ないのかもだけど、年に1冊しか出ないこの雑誌を楽しみにしてた人も多いだろうになぁ

ここ数年は諸事情()で隠居生活を強いられているが、やっぱりアルペンな話題には疼くのよね~  いつ復帰できるかなー?

2009年5月16日 (土)

なんちゃって海の男

数年ぶりにヨットへ
以前はちょくちょく行っていたのだが、ほんと久々。

Imgp2248曇りだけど穏やかな風と波。
...と思いきや、湾外に出ると予想外の強風。

でもデッキの先に立ってると、妙にスノボの感覚とダブったり。ふと足下を見ると、自然とグーフィーになっている自分に気付いて笑ってしまった

 

Imgp2239湾外に出るとき、ふと横を見ると...  おー、あれに見えるわ...誰もが知る海の男、加山の雄ちゃんの『 光進丸』ではないか

寄湾して停泊していたけど、セレブなパーティでもやってるのかな?

Imgp2250 それまでの元気はどこへやら 湾外に出てからの揺れでグロッキー気味な我が御子息どの。

2009年5月14日 (木)

おっと、1ヶ月後...

Utatanemichinone

さてさて、少し先になりますが久々に雅楽器でのライヴです。

今回は音楽仲間である薩摩琵琶(後藤幸浩)と尺八(小濱明人)の実力派ユニット、“ミチノネ”との対バン・コラボ。

我々“ウタタネ”は龍笛の太田くんをサポートに迎え、しかもフライヤーには載っていない“お楽しみゲスト(?)”もご用意。特に“琵琶”に興味ある方は必見ですよん!

ウタタネ・ミチノネ

2009.6.14(日)  中目黒・楽屋 
open 12:00 / start 13:00  \2,000(予約) / \2,500

ウタタネ: 浜根由香(唄・箏) 中田太三(雅楽琵琶・笙)
ウタタネ: 太田豊(龍笛・高麗笛)
ミチノネ: 後藤幸浩(薩摩琵琶) 小濱明人(尺八)

お楽しみゲスト:マコちゃん(○○琵琶)

■詳細はコチラ(PDF)

■予約はコチラ

※マチネ(昼公演)ですので、お間違いのないように...

※古典の会ではありません。

2009年5月12日 (火)

ホスティング

Im199410001初めてインターネットというものに手を出してから15年経った。かのインターネットマガジンの創刊号とほぼ同時期だったかな...

当時はホームページはおろかEメールですらほとんどの人がまだ知らなかったし(世はパソコン通信の時代)、個人で契約できるプロバイダなんて庶民向けの rimnetbekkoame、セレブ向けの IIJ の3社しかなかった。

清水の舞台から飛び降りて買った 14400bps のモデムからプロバイダに接続するだけでも一苦労。Windows は 3.1、Web ブラウザも IE なんてまだなくって Mosaic vs Netscape の覇権争いの最中、サーバー操作は Telnet 経由。そんな中、試行錯誤で作った雅楽ページが創刊して間もないインターネットマガジンで紹介されたのも懐かしい話。

昂じて自分のドメインやサーバーが欲しくなったがまだ高嶺の花。そんな折、アメリカのホスティングサービスなんてものを見つけ、自分でドメインを取得したり、サーバーレンタルみたいなことを始めた。当時、同じサービスを日本で契約するのに比べ、金額的に1/10以下だったのだ

そんなことをしているうち、ホスティングを代行してくれなんて話も飛び込んできて、それなりにメジャーな企業や出版社も含めて全盛期には20社近くのクライアントを持っていた。ちょっとした小遣い稼ぎには良いアルバイトだったなぁ

が、ネットが驚異的な普及をし始めて、ホスティングのクリティカルな運用が要求され始めると途端にしんどくなった。トラブルが起こったとき、慣れない英語でアメリカのホスティング会社にクレームを投げたりするのだが、始めたころと違って復旧に一刻を争う場合が多くなったのだ。個人でやっているだけなので管理者は俺だけ。仕事で何日も留守にしているときなどにトラブルが発生していると、クライアント側で大騒ぎになっている。

“こりゃ面倒見切れないな ”と思い始め、企業関係は徐々に他のホスティング会社に移行して貰った。ここ数年は身内がプライベートでやっているようなホームページのホスティングだけにしていたのだが、今日、最後のクライアントが今月で他に移行することになり、全てのホスティングが終了することになった。

まぁ、ささいな話なのだが、自分の中では1つの歴史が幕を閉じたような、妙に感慨深いものがあるなぁ...

 
※皆さんに1つだけ ... みんな、メールっちゅうものを信用し過ぎてませんか? 送ったら相手に届くと確信するのは危険です。自分でホスティングなんかを運営していて、ドメイン管理者としてアドレスが公開されている者の経験から言うと、毎日、何通もの迷子メールが届きます。スパムとかではなく、明らかに俺宛じゃないちゃんとしたメールが関係ないはずのドメイン管理者の俺宛に配信されてきます。

何が言いたいかと言うと...あなたが出したメール、誰に届いたかわかんないよ...ってことね。

2009年5月 4日 (月)

みたび、園部へ

最近、帰省時の恒例になりつつある園部。やっぱり、普段とはぜんぜん違う空気というのはいいな...

 

Ca390052_2 すっかり少なくなった在来種の日本タンポポ。ここでも多くは西洋タンポポ。

 

 

Ca390050激減が懸念されている蜜蜂がいっぱい。わかるかなぁ?

 

 

Ca390057001ヘビのこどもかと思った巨大ミミズ。
(横は比較用のタバコ)

  

Ca390064_2

本日の収穫。

 

 

 

Ca390063

子供の発案。通称(?)ドッグ・ボード。

2009年5月 2日 (土)

師長めぐり

GW、珍しく実家(大阪)に帰省。いつもは日がなノホホンと過ごすだけなんだけど、今回は前々から気になっていた...というか“行かなきゃ!”と思っていた所にブラブラと…

うちの実家、阪急電車の所要時間ベースで考えると京都と須磨の中間に位置している。京都も須磨も平安後期あたりの物語に良く出てくる場所。

そこで『師長(もろなが)』さん。このキーワードにピン!ときた人は雅楽、それも糸もの(琵琶・箏)に興味がある人でしょうな

えーっと、楽琵琶(雅楽琵琶)の話を超々大雑把に...
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正倉院の宝物なんかは別として、楽琵琶の“演奏”という意味での実質的な歴史というか話題の始まり。それは第17次遣唐使船の准判官だった
藤原貞敏(さだとし)[807-867]が長安で琵琶を学び、839 年に「青山」「玄象」という超名器、「流泉」「啄木」「楊真操」という3大秘曲を持ち帰ったところから始まります。貞敏は琵琶の名手であることは勿論なんだけど、彼自身よりも、持ち帰った琵琶銘器の伝承や秘曲の伝授に関する様々な記録・物語・説話が残ってます。雅楽だけではなく、能や平曲(平家琵琶)の演目としても取り上げられてます。(※持ち帰るはずだった琵琶には、この他にも「獅々丸」という琵琶もあったそうですが、帰航時の荒波を鎮めるために海に沈めたという話があります。)

詳しくはすっ飛ばしますが、貞敏の没後、いろいろな音楽が日本化していく中で、楽琵琶にも流派(西流・桂流)ができたり(=派閥争いが起こる)と少々混乱の様相を見せます...

そして、しばらくの時を経た1150年前後にこれらを統合・集成すべく登場する人物が藤原師長(もろなが)[1138-1192]。あの源博雅[918-980]と並ぶ、雅楽における2大巨匠の1人。政治家としても従一位・太政大臣にまでのぼりつめ、かなり波乱の人生を送っています。この師長さん、現在でも雅楽研究者が第一級の参考資料として用いる楽琵琶の楽書「三五要録」、楽箏の楽書「仁智要録」の著者でもあります。この2冊が現存していなかったら、当時の音楽の学術的な研究は進まなかったと思われるほど当時の音楽・楽理を詳細多岐に渡って集大成した楽書なのです。

今回、ブラブラしてきたのは主にこの師長さんにまつわる場所です。まぁ、こういう史跡は実話とはかけ離れた???なのも多いけどね
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Img_4426 まずは京都御所近く。京都御苑の中にある「白雲神社」。ここの御祭神は妙音弁財天坐像(重文指定)。弁才天像は8臂像と2臂像があるけど、ここにあるのは日本最古の2臂像とされていて琵琶を持ってます。ちなみに良く見かける女性の姿ではなく、曼荼羅に描かれている菩薩が琵琶を持ってる姿。この妙音弁財天坐像は藤原師長が信仰していたものだと言われています。

Img_4466 ずずずぃ~っと大移動。山陽電鉄須磨駅の近くにある「村上帝社」。村上天皇[926-967]を祀っている社だけど、実はこの社の主役は藤原師長。能がわかる人には「絃上(観世流では“玄象”)」の舞台と言えば早いかな? 師長さんが音楽の勉強をしに渡唐しようとして都を出て須磨に来た時、村上天皇の霊が現れて引き留める。その代わりに、かつて貞敏が海中に沈めたとされる琵琶の名器「獅々丸」を与えたという話。その場所がココ。

Img_4489 こちらは「琵琶塚」。村上天皇の霊に説得された師長さんが入唐を思いとどまり、貰った「獅々丸」を埋めたとされる場所。本当は「村上帝社」の境内にあったのだが、真ん中を山陽電鉄が突っ切ったために現在は線路越しに二分されている。しかし、せっかく「獅々丸」を貰ったのに埋めるなんて有り得ないだろ?...と考えるのは俺が俗人であるが故か?

Img_4509 お隣の須磨寺駅の真横にある「平重衡とらわれの遺跡(松)」。駅横のビルの横にひっそりと、いや、見捨てられたように置いてある。平重衡(しげひら)[1157-1186]、これまた琵琶の名手。平氏の武将・大将でもある。奈良の東大寺大仏を焼亡させた張本人。この人が都落ちして源氏に捕えられた場所...らしい。数年前、この平重衡役として楽琵琶を演奏してほしいという話が来て(スケジュールの都合で流れたが)、それ以来、妙に気になる人なのです。ちなみにこの人、大仏なんか焼いちゃうから、南都(奈良)の人達からは嫌われてます?! あ、考えたら、平重衡役の話を持ってきたのって奈良出身の人じゃん!

Img_4526 少し神戸側に移動して、こちらも琵琶塚。デカイ! 神戸市兵庫区の清盛塚(平清盛の慰霊塔)の横にあります。清盛塚も琵琶塚も区画整理のため本来あった場所からは少し移動している。
平経正(つねまさ)[????-1184]。武将ではあるが楽才を認められ、名器「青山」を下賜された琵琶の名手として名高い人物。この人が都落ちして琵琶を守るためにここに埋めたとされるが、これはかなり怪しい逸話。
この経正の話も能の「経正(経政)」や平曲の「経正都落」という演目に残っている。どちらも源平の戦で琵琶が焼失してはいけないと京都の仁和寺に返上する話になっている。埋めてしまうよりは返上するこちらの話の方が、武将として潔い妥当な判断だと思う。

...とまぁ、『藤原師長』をキーワードに周辺をウロついてみました。もちろん行ったのはここに載せた所だけじゃないけどね  実家に住んでいたころはとんでもなく遠い場所だったけど、目的地まで平気で1時間オーバーな東京に住んでいると近いもんだなぁ?!

そうそう、師長と言えば名古屋の嶋川稲荷。尾張配流時代の師長の屋敷跡があります。さすがに名古屋までは行けんかった。つーか、去年、熱田神宮に行ったのに、近所やんか!


番外編

Img_4445 白雲神社にあった琵琶の絵馬

 

Img_4456 JR須磨駅を出たところにあるデンマーク人の人がやってるホットドッグ屋さんがある。そこにあった“須磨水ぷくぷくソーダ”。三ツ矢サイダーとラムネの中間っぽい味かな?

Img_4510 「平重衡とらわれの遺跡」の全景。いつも思うけど。大阪とか神戸って、関東に比べて景観に対する感覚が節操ない。こういうとこに看板を置くのは考えて欲しいなぁ...

 

Img_4556 清盛塚の周りの歩道にあった琵琶タイル。4絃の琵琶なのに転手(ペグ)が5絃の筑前琵琶っぽい。マニアックだが、こういうのって腹が立つ ちゃんと調べて書け ちなみにですが、京都でよく売っているお土産用の雅楽人形。今まで見た中で正しい姿だったのは1つもありません。どっかおかしいです...

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