やっと手に入れた...古書
今年は「信西古楽図」に続いて2冊目 
「催馬楽」というのは、平安時代の流行歌のようなもの。今で言うポップス的な歌詞に雅楽的な曲を付けたものというか...。それゆえ、“おぃおぃおぃ”と言いたくなるような
もののエッチな猥歌も少なからずある
というか、今時の歌よりはるかに危ない歌詞かも 
ただこの「催馬楽」、記録上は60曲程度が残されているがすべて途絶えてしまい、現在、宮内庁楽部などで伝承されているのは江戸時代になってから復興された7曲のみ。それですら、林謙三氏のような研究者の立場から言わせれば、節回しやリズム割りの考証が明らかにおかしいらしいが...
ところで『催馬楽訳譜』、昭和初期に宮内省式部職雅楽部(現在の宮内庁式部職楽部)の楽長を務めた京都方の楽家、山井基清氏の手によるもの。私の生まれた1965年に上梓されたもので、これは初版のもの。もちろん、とっくの昔に廃刊になっている。
山井基清という人は、大正時代にドイツへ渡って洋楽の勉強もしたくらい研究熱心な人。色々な催馬楽の復曲を試みたり研究をした人で、その集大成として発刊されたものがこの本。ちなみに、ご本人は上梓した5年後に85歳で亡くなっておられる。
で、何が「訳譜」かというと、この本、すべての催馬楽の曲が五線譜に訳されている。復曲ものに関しては基になった伝承本により複数のパターンまで載せてある。それらの五線譜もすごいのだが、それ以外の解説(研究)部分の記述が類を見ないほど充実しているので前々から欲しかったのだ。
この本、たま~に見かけることはあったのだけれど、綺麗な本はなかなかのお値段
...なのだが、ネットで割安なのを見つけたので即座にポチった次第。
嫁さんは仕事で海外、子供は実家に帰ってるシルバーウィーク、ゆっくり読んでみるかなー。
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