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2009年11月の7件の記事

2009年11月28日 (土)

ANVIL

Anvil1
人によって見方は色々だろうが、個人的には先日見た「This Is It」と双璧、或いは真逆と思われる映画「ANVIL」を観てきた。この2つの映画が偶然とはいえ同時期に公開されていることには妙な因縁を感じる。

Michael Jackson が過去から現在に至るまでビッグサクセスを邁進してきたアーティストとするなら、こちら ANVIL はビッグサクセスに向かうと思いきや、一気にどん底に沈んだアーティスト。そんな連中は山ほどいるだろうが、彼らが違ったのは50代後半にも差し掛かろうかと言う今現在ですら、ロックスターを夢見て、違った意味で邁進していること。

パフォーマーにとって、This Is It が体を目覚めさせる天上界の話ならば、こちらは体に沁み入る現世の話って感じかな? もちろん、どちらもドキュメンタリーである。

今でこそ雅楽だ何だと言っているが、10代半ばの頃はヘビメタ(当時はハードロックと言っていた/ちなみに Ritchie Blackmore 派)一色な時期を過ごしていた。今はそのヘビメタも色々と細分化されているが、この ANVIL は最初に分化を起こしたスラッシュ系の元祖のような存在か? 当時 ANVIL と競演し、その影響を公言している「BON JOVI」「METALICA」「Guns N' Roses」などはメジャーシーンでビッグアーティストとなり、ANVIL は鳴かず飛ばずのままインディーシーンへ...

彼らは“クール”という言葉からは程遠い存在感で、電車で隣に座っていても不思議ではない感じ。が、(楽曲的には俺の好みではないけど)演奏技術や楽曲構成力はさすが!と言った感じ。オーソドックスなスラッシュメタルのスタイルを今に伝える伝統芸の域かも知れない。

映画中、大きなツアーやライヴ話に舞い上がってはトラブって凹んだり、自信作のCDを売り込んではメジャーにそっぽを向かれるシーンは、実感が伴って痛々しい。...というか身につまされるものがある。少なくとも This Is It のような娯楽感覚で楽しむことはできない何かがあるんだな。

しかし、30年も「憧れ」をあきらめずに現役で突っ走っている姿には、これまた脱帽です。

個人的には「This Is It」と「ANVIL」はセットで観てほしい作品かもしれないな...

『男は勇気付けられ、女は呆れる映画』 ... と締め括っておこうか

2009年11月22日 (日)

皇室と冷泉家

午前中の演奏仕事のあと、夕方の打合せまで時間があったので、東京国立博物館でやっている「皇室の名宝―日本美の華」の第二期と、東京都美術館でやっている「冷泉家 王朝の和歌守(うたもり)展」をハシゴしてきた。

いやまぁ、雅な雰囲気とは違い、ハードでしたわ。展示物より何より、人の多さに疲れてしまう。

俺は背が高いから、どうしても見たい展示品以外は上から覗いて見流せるけど、そうじゃない人は前に行かないと見えないから大変だよなー。

特に「皇室の名宝」の方は博物館に来ていると言うより、入場制限までしないといけない状況で、あれじゃまるでバーゲン会場の様だな。いっそ、完全予約制にしてゆっくり見れるようにした方が良いんじゃないのかなぁ?

とは言え、崇光天皇宸筆の琵琶譜(啄木調)とか、紀貫之の直筆文字とか滅多にみれないものばかりなので楽しめました。

こと冷泉家の方のは書物ばかりなので地味なんだけど、綺麗な平仮名の草書とか見るとなかなかうっとりします。もちろん、落書き?と思うような下手な字の人もいるのが人間味があって面白い。

ただ...少し???だったのは、「乞巧奠(きこうでん)」という二星(たなばた)に行う儀式のセットが置いてあったんだけど...ん?

この儀式、有職故実では二星(要するに織女星と彦星)にお貸しする雅楽器、箏(琴)と琵琶をお供えすることになっている(正式には箏だけという説もある)。通常は楽箏と楽琵琶みたいなんですが、展示のセットでは鳶尾付の和琴が飾られており、“おーっ、やるぅ!”って感じだったんですが、琵琶が妙に小さい気がする。

お供え用だからかな?と思って近寄って見てビックリ。撥が三角形の形状(楽琵琶の撥は杓文字形)。コ、コ、コレって平家琵琶じゃん?

家に帰ってきてから色々な場所の「乞巧奠」の写真を見てみると、俗箏が置いてあったり筑前琵琶が置いてあったりで、「箏(琴)と琵琶」という概念だけが伝言ゲームで広まったんだろうな。

しかし、平安期からの伝承を看板にする冷泉家の展示が平家琵琶じゃマズイんでないの? ...と思い、東京都美術館に投書してしまった私です

2009年11月15日 (日)

This Is It

michaeljacksonthisisit

昨日、一緒に飲みにいったバンマス仲間(?)がお勧めなので、早速、観に行ってきた。彼はMJの音楽(ダンス)がスゴイ!と言いたかったのではないはずで、実際に観てその理由がわかって納得。

俺はとりたててMJのファンでもなければ、特に能動的にその音楽を聴こうとした時期もない。もちろん、MTVとかで流れているのを良く見てはいたけど、彼が勧めなければ観に行くことはない映画だったかもな...

このMJのリハーサルのドキュメンタリー(と言って、差し支えないと思う)は、自分で音楽なり演劇なりの活動をしている人にとっては興味深いショットが散りばめられているんじゃないかな? 特にバンマスなどの“仕切る側”に居る人には面白いと思う。いや、むしろその経験がない人には単なる“MJってやっぱすごい!”で終わる映画かも知れない。

綺麗ごとを言おうが大義名分を並べようが、お金を払って貰って自分たちのパフォーマンスを聴かせる(見せる)かぎり、それは紛れもなく“ショウビズ”の端くれ。そのショウビズというものの「世界のテッペン」を創っている最中の現場を垣間見られることが、俺的にはこの映画の1番の面白さ。

潤沢な資金の元、それぞれの分野でトップレベルな人達(ミュージシャンはもちろん、ダンサーも音響も照明もすべて)が集結して創り出すものには凄まじいまでの「世界観」が伴う。そして1クセも2クセもあるそんな強者を仕切るMJの圧倒的なカリスマ性と“バンマス力”。と、それに即座に応えるミュージシャンやダンサー、スタッフ達の有り得ないほどの対応力と技術力。

出演者・スタッフが集まってのミーティングでのMJの発言 ...
“観客は非日常を見に来ている”
... だから、観客を想像している以上の非日常に連れて行くんだ!という哲学の徹底ぶりと実行力に脱帽です。

いまさらながら、MJ恐るべし...

2009年11月 5日 (木)

久々の関西遠征

さて、関西地方の皆さん、お待たせしました...

と言っても、ちょっと遠いのですが、T's color の滋賀公演です。東近江市の「あかね文化ホール(小ホール)」で 12月19日(土) の 14:00~です。→ 詳しくはコチラ

(財)東近江市地域振興事業団の主催企画ですので入場料も安いです。関西方面の方、お待ちしております~。(って、大阪からじゃ、やっぱりちょっと遠いな

名神高速の八日市ICまたは竜王ICから15分ほどだそうです。

※チラシが御入り用の方は直メくださいね~。

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開催日:2009年12月19日(土) 開場:13:30 開演:14:00
会 場:東近江市あかね文化ホール(小ホール)
入場料:前売券 1,000円 当日券 1,200円

T's color

 浜根由香(箏・歌)
 中田太三(笙・楽琵琶・アコギ)
 丸田美紀(十七弦)
 帯名久仁子(胡弓)
 坂元一孝(メロディオン)

舞台美術(和紙の灯り)

 福島博

2009年11月 3日 (火)

遠征してちょっと休息

遠征してちょっと休息
普通の川の底から温泉が湧いてる。もちろん入浴フリー!

尻焼温泉…と言うらしい

2009年11月 2日 (月)

初雪

初雪
現在地、仕事で群馬の山奥。

な、な、なんと…、初雪

2009年11月 1日 (日)

ありがとうございました

「びわら びをら」、ハードな2回公演を終え、美酒(美牛?)を堪能してまいりました。

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長年、思いつつも実現していなかった「雅楽フォーマット」によるライヴ。雅楽古典の様式や雰囲気を保ったまま、違和感のないオリジナル音楽を聴かせられるか?...に対するチャレンジでもあったのですが、概ね好評を頂き、自分自身としても納得度の高いライヴとなりました。

今まで色々な場所で雅楽器・邦楽器を使った演奏をしてきましたが、痛感しているのは、演奏以前にその場所が持っているアンビエンス(雰囲気?)というものの大切さ。演奏以前にそれを取り巻く場の雰囲気を作らないと、楽器や演奏・音楽の断片を切り出しても魅力は半減どころではないということでした。

今回は場所がお寺の本堂と言うこともあり、また自然音を薄く流すという仕掛けにより、見せようとする音楽とのマッチングがより音楽のパワーを引き出してくれたように思います。

出演者ほか、スタッフ、関係者の皆さん、ありがとうございました。

そして何より、足を運んで下さった方々に心より感謝します。ありがとう!

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