船弁慶 本公演
先週の土曜日、4月に出演させて頂いた『朗読能シアター 船弁慶』と対になる企画である『宝生流能楽公演 船弁慶』が宝生能楽堂(水道橋)であり、観に行ってきました。通常の能楽公演とは違い、4月に共演した渡辺大輔さんがナビゲーターとして進行役を努めながら、一部で連吟「鞍馬天狗」・舞囃子「橋弁慶」・狂言「那須」、二部で能「船弁慶」を演じる趣向。
かなり面白かった。いや、格好良かった!
4月の公演のトークショーでも話したけど、「雅楽」と「能楽」というのは外から見れば同じようなものに見えるらしいが、実際には今の時代、この2つの芸能に接点はほとんどない。
公家文化を代表する芸能「雅楽」と、武家文化を代表する芸能「能楽(式楽)」。日本の2大文化を象徴する芸能だけあって、この2つはどちらも美しい「様式」を持っているが、その成り立ちはまったく違う。
ナチュラルというか自然な振る舞い(もちろん公家さん)の延長線上にある雅楽の様式に対し、能楽は不要なものを削ぎ落した無駄のない計算され尽くした様式を持っている。
雅楽の人が能楽を観た時、嫉妬すら覚えるような様式美がそこにある。(逆に、能楽の方が雅楽を観ると同じように感じるらしい)
シテ(主役)を演じるのは若き宝生流家元・宝生和英氏。先の公演のオファーがあって以来、縁あってお付き合いさせて頂いているが、プライベートでの穏やかで控えめな雰囲気とは違い、舞台上の堂々とした立ち居振る舞いと、面をつけても声が篭らない謡に『別人じゃないか?』と思うほどに圧倒されっぱなし。
いやもぅ、恐れ入りました。マジで格好良かったです
終演後は4月の出演者+お家元で近くのお店に行き、ほとんど終電まで様々な話で盛り上がりました。
皆さんと、またいつか、共演できることを願いつつ...
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