アシュラ
数年ぶりに映画館へ...
今日公開のジョージ秋山さん原作の劇場アニメ「アシュラ」。色々な国の映画祭で招待上映やノミネートに上がっている話題作。
この作品、もう何年も一緒に仕事をしている脚本家の高橋郁子さんが手掛けていることもあって、初日の初回上映を観てきた。
ジョージ秋山さんの原作は読んでいないが、郁ちゃんが手掛けるくらいだから単なるエンターテインメント作品なわけがないことくらいは覚悟済み
・・・
案の定、少なくとも子供連れで行って“面白かったね...”と言えるような、ほのぼのアニメ作品ではない。
『出産』と『人肉を喰らう』という相対するエゴの極みから始まるストーリー。究極の環境下に置かれたとき、「人」の定義はどこにある?
映像作品において脚本家という立場がどれほど最終型に関与しているのかはわからないけど、個人的には“あ、郁ちゃんっぽい!”と思うシーンが幾つもあった。(当然なんだけど)
当たり前に観るならアシュラの心情の推移に目が行くのだろうけど、俺の場合、普通は混沌とした展開の中で清涼剤的な癒しを担うはずのヒロイン「若狭」の取るごく当たり前の行動パターンにやられた感じ。
恋人に逢いに行くという誰もが、いや、自分自身ですらエゴだとは思ってないありふれた行動が、見方が違えば強烈なエゴを伝播させてしまうカラクリと、それによりアシュラに人間性が芽生えたが故の葛藤。
「人肉を喰らう」という行為がエゴの象徴のように捉えられるかも知れないけど、その影に隠れた人それぞれの“無意識な当たり前のエゴ”が怖いね...
この作品、モノゴトの分別をわかっているつもりになってるオトナにお勧めです。
この記事へのコメントは終了しました。
コメント