最終日、やっぱりこの話題で〆ようと思います。経典を3つに絞るのは至難なんだけど、レコード → カセット → CD という歴史を辿りつつ。
(1) ガンダーラ/ゴダイゴ(1978年10月1日発売)
小学校の頃はバロック一筋少年。バロック以外に聴くのはカーペンターズのみ! 当時は朝6時前の NHK-FM のバロック番組をエアチェック、それを聴きながら2度寝する感じだった。今でも“好きな作曲家は?”と聞かれればヘンデル即答。次にキダタローかな?(笑) そのバロック少年がポピュラー音楽に目を向ける決定的なきっかけを作ったのがゴダイゴ。いや、厳密にいうと「ガンダーラ」という曲。それもイントロ。この曲がなければ、俺はポピュラー音楽には興味がいかなかったかも知れない。仲の良かったおませな女の子から「バンドやりたいからベースやってよ!」と誘われるも、ギターとベースの違いも明確にはわかってなかった次第。この曲のイントロを聴くと、いまだに当時の情景がくっきりと浮かんでくる...。後年、ゴダイゴのギタリスト浅野さんにお会いしたときは話したいことが多すぎて、何も話さないまま終わってしまいました?! ★レコードって音だけじゃなく、ワクワク感とか想い出とか色々なものが追加して記録されるような気がするね。買ってきて針を落とす瞬間の高揚感はCDやDL音源では味わえないです。 ★ちなみに豊中近辺の方、レコードの入ってる袋が懐かしいでしょ?
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(2) 臨月/中島みゆき(1981年3月5日発売)
密かにミュージシャンというものに憧れはじめ、作曲だけではなく「歌詞」や「編曲」というものを意識し始めた高校の頃にヘビーローテーションだったカセット。詞・曲・アレンジすべてが体に入ってます?! 特にギタリスト/アレンジャーの安田裕美さんの奏でる「あなたが海をみているうちに」という曲は完全に体に沁みこんでいて、今でも自分にとって1番のリファレンス曲。もちろん現役で iPod に入ってます(笑) 海外含めて好きなギタリストは何人もいるけれど、1つ1つの音に込める安田さんの音の静謐さ・広がりは永遠の憧れです。実際、歌ものを作り始めた頃って、自然と安田さんのパクリようなアレンジばかりでした?! このカセットは夜な夜な親の目を盗んで入り浸っていた一人暮らしの友人の家でかけていたもの。俺があまりにこればかり聴くものだから、彼が引越しのときにくれたんだよね。 ※自分でも録音できるというのが最大のメリットだったカセット。好きな曲を編集してオリジナルカセットを作るあの手間暇が今の自分の根っこかな?と思います。ちなみに、大切な音源はSONYのDUAD(フェリクロ)、車用には熱に強いAXIAが御用達でした。
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(3) Brothers in Arms / Dire Straits(1985年5月13日発売[イギリス])
さて、本命登場! 上京して2年間、新聞奨学生をしていた。...と言えば聞こえは良いが、元来、体たらくな俺は寝る場所のあるホームレスのような生活(?)。宿舎の向かいの部屋の奴がブリティッシュロックとキョンキョンをこよなく愛する輩で、いつも自慢のJBLから爆音が流れていた。そんな彼が、俺が音響関係の勉強をしていると聞いて「このバンドはCDという新しい録音方法を研究している音の良いバンドだから聴いた方がいいよ!」と言って渡されたもの。これが Dire Straits のバンマスであった Mark Knopfler との出会い。これがきっかけで Mark Knopfler のライヴを観るためだけにロンドンにまで行くようになってしまった。もちろん、帰国したら報告を兼ねてそいつとは飲みに行く仲。今でも「太ちゃんがブリティッシュに目覚めたのは俺のお蔭でしょ?」と笑われる。そんな彼も今や新聞業界の一翼を担う立派なオッサン、3児の父である。考えたら、2nd Day で書いた雅楽コンサートの熱が冷めやらぬまま「雅楽ってすごいぜ!」と最初に力説した相手は彼だったような気もする?! ちなみに、このCDは後年、同じ釜の飯を食っていた記念として(?)彼がくれたもの。(なんだか、貰ってばっかり...) ★ このCDはいわゆる音圧戦争と言われる商業的意図の弊害が大きくなる以前の本当に音が良い録音。仕上がりの音圧が高い方が良いという今の風潮のアホさを教えてくれる、音楽そのものだけではなく色々な意味で最高の1枚です。
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■...というわけで、長々と読んでいただいた方々、5日間お疲れ様でした?! 面倒くせぇなぁ...と思いつつ、人・物・音、それぞれの出会いの経緯が整理できて面白うございました。Mark Knopfler の歌う「Get Lucky」、相田みつを風に翻訳すれば「良き出会いを...」。やっぱりこれだね!
※「5 Days Art Challenge」って誰かにバトンを渡すものらしいんですが、そーいうのは好みではないので敢えて指名はしませんが、バトンが欲しい人がいたら遠慮なくお申し出くだされね。
(※Facebookイベントからの転載です)
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